日経 鈴木慶太記者の記事が秀逸

日経コンピュータという雑誌を知っているだろうか?

日経グループの出版社日経BPが出しているIT業界では非常に有名な専門誌だ。(日経ビジネスや日経ウーマンも、日経BPが発行している)

 

私は社会人になってから十年以上、この雑誌を購読し続けている。(過去には日経ネットワーク、日経システムズなども購読していた)

この日経コンピュータを読んでいて最近、面白い記事だと思うと必ずといっていいほど、鈴木慶太記者の署名がある。

 

最近では7月8日号の「星野リゾート流、すごい内製力」の記事が秀逸だった。

情報システム部の変貌や、コロナ下での活躍振り、現場から異動してきた人の活躍振りなど、非常に参考になる事例だ。会社でも回覧した

xtech.nikkei.com

日経コンピュータは日経xTECH(クロステックと読む)という同じく日経BPのネットメディアの会員になると読めるため、雑誌を買わなくても読める仕組みになっている

 

ほかにも、野村證券IBMが争った裁判の”動かないコンピューター"の記事も、ここでしか読めない大変参考になるものだった。

xtech.nikkei.com

 

この記事は野村證券のX氏という人物が、プロジェクトの途中で追加要件を多発してシステム開発が失敗してという話だ。野村証券IBMを訴えたが、 高裁で逆転敗訴となった。 発注者のユーザー側に問題があったと裁判所が認めた非常に重要な判例だ。これもこの記者が書いている。この記事はネットでもバズっていたため、知っている人も多いのではずだろう。

 

この件についてこの記者は別の記事で下記のように分析している。

xtech.nikkei.com

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(記事から引用)

 システム開発では一部でも仕様変更が生じると、その部分だけを改変しても足りず、システム全体への影響を考慮して設計からやり直さなければならないことがある。仕様確定後の変更要求はときに大幅な軌道修正が必要となり、開発費用の増大はもちろん、大幅な納期の遅れをもたらすことをユーザー企業は肝に銘じたい。

 ユーザー企業内における意思統一と協力関係も極めて重要である。今回、ユーザー部門による変更要求の多発を情報システム部門が抑えきれなかった構図は明らかであり、情報システム部門の責任は重い。

 ただ、かつて多く見られた「ユーザー部門の立場が強く、情報システム部門が弱い」という関係性が上記のような事態を招いたのであれば、その責任は経営層にあると言わざるを得ない。経営層が現場任せにすることなくリーダーシップを発揮し、社内の意思統一を図っていればこのような事態には至らなかった。ユーザー部門と情報システム部門のぎくしゃくした関係も生まれなかったはずだ。野村-IBM裁判は改めて教訓を示した。

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記者でありながら、こういった分析ができるのは大変すばらしい。

日経コンピュータも日経日経xTECHも購読料はなかなか高いが、年に数件「これだけで元をとった!」と思える記事が出てくるため購読はやめられない。購読はお薦めだ

(動かないコンピューターというシステム障害の連載は面白いので大変お薦め)