面白い舞台に期待

2022年秋に、日本版『キンキーブーツ』を再演するとのニュースが飛び込んできた。ローラ役は、城田優さん。東宝版『エリザベート』のトート役も記憶に新しい、実力派だ。おそらく、魅力的なローラになるに違いない。

 

気になってはいたのだ。『キンキーブーツ』は素晴らしい作品で、世界中で上演されている。日本だけではなくて、色々な国と地域で愛され続けている名作だ。あれほど、観客と演者の皆さんがまるでライブのような一体感を得られるミュージカル作品は、他にない。日本版『キンキーブーツ』の火を消さないで欲しいと、心の底で静かに願っていた。

 

『キンキーブーツ』が三浦春馬さんの代表作であることは、疑いの余地がない。ローラ役を勝ち取り、さまざまな困難を乗り越えて板の上に立った彼は、輝いていた。ミュージカル俳優としての三浦春馬に度肝を抜かれた人も、少なくなかっただろう。日本の初代ローラは、素晴らしかった。

 

今回、2代目ローラを迎えて上演するにあたり、ジャパンカンパニーの皆さんの胸にはさまざまな思いがやってきたに違いない。新ローラの城田優さんだって、色々言われることは百も承知だろう。

 

それでも、『キンキーブーツ』と言えば、6つのステップ。3つ目の「あるがままの他人を受け入れる」は作品の大きなテーマでもある。春馬ローラ以外を、(今は)受け入れられない春馬さんのファンをも丸ごと受け入れて、前に進む決断をしてくれたキンキーブーツ・ジャパン・カンパニーに、胸が熱くなる。